「棚」とは滝のことをいうらしく、西丹沢のこの界隈の「下棚(しもんたな)」「大棚(おおたな)」など有名な大滝です。「畦ヶ丸」の「丸(=山)」など、山の名称は不思議なものが多いですね。
西丹沢の近場のファミマでろーちょんさんと待ち合わせているのですが、いつもは早着のろーちょんさんの姿がありません。珍しく寝坊されたといっていましたが、それでも約束の15分前には到着され、みんなこの時期はアウトドアアクティビティが楽しい季節なのに仕事が大変だねぇという話をしながら大滝沢林道に向かいます。
蒸し暑い残暑の大滝沢を歩いて、沢におりたつとやっぱり明るい沢はいいもので、水温は高めですが楽しく歩くことができます。「丹沢に良い沢なんてあるの?」という人がいますが、とんでもない。植林ではない森に囲まれた、明るくて水が綺麗な西丹沢には、短いながらも素敵な沢がたくさんあって、休日の民のこころを癒してくれます。ここが新宿から1時間半だなんて。
すぐに地獄棚に到着し、支流の雨棚(あまんたな)を見物にいきます。
地獄棚の名前におびえつつも、トポ本だと3人で2時間かかるという大高巻きを、4回目の遡行のろーちょんさんがリードしてくれます。普段、高巻きの時は結構際どいところでも各々フリーで登っていくことが多いのですが、今回は高さもあるので、4人で50メートルロープを3本で全員がつながって登ります。
私はセカンドなのですが、結構難しい巻きでした。二級沢は、二級沢の理由が必ずありますね。
ルートを選びながら、ロープは屈曲せざるを得ず、上からセカンドを引っ張る人も、上がっていく自分自身も引き上げていくロープが大変な重さになり、上下のロープに引っ張られて身動きが取りづらくなるようなシーンもありました。そういう意味でも難しい高巻きでしたがとても良い経験になりました。
終了点に辿り着いた順にビレイを交代してフォローを次々引き上げていき、全員揃ったところでろーちょんさんがセットしてくれた懸垂下降で地獄棚の落ち口の少し先に降り立ちました。4人で1時間45分ですから、結構良いタイムだったのではないでしょうか。私が一番時間がかかりましたが、しかしお腹が空いた。
我々は普段トランシーバーを使わないのですが、こういう時はあった方がいいのかも、とも思いました。
ここから先は、素敵としか言いようのない、連瀑帯が続きます。N先輩がトップで、テンポよくすべての滝をフリーで登ります。
楽しく滝を登っていくと、埋まっているものの、ナメ帯となり、歩きやすいまま、970あたりで尾根にとりつくと、作業路があるではないですか。
ラッキーですね。最近ルーファイをみんなに褒められてなんだかこわいです。(四十八滝沢でくちごたえをしたからかもしれません)
歩きやすい道をトラバースしていくと、全く苦労なく東海自然道に辿り着きました。ここで登山靴に履き替えていると、ろーちょんさんの靴の中からヒルが…中川川は、ヒルがいない丹沢の残された聖域だったのですが、2回連続ヒルがおり、終焉をみました。
入念にヒル避けスプレーを靴に吹きかけて(ヒルは空から飛んできません。貴方の足元から上がってくるのです)大滝沢を見ながら楽しく下山し、一目散に車に飛び込んで、お楽しみの中川温泉へ。
今日は少し贅沢をしまして、中川温泉の信玄館です。
ここは素晴らしいアルカリ泉で、浸かっていると本当に肌が滑らかになって、多幸感のある温泉です。町営のぶなの湯もいいのですが、キャンプ帰りの家族連れでいつも人がいっぱいなのです汗
温泉を堪能したあとは、山北駅そばの山北バルで、今日はそんなに頑張らなかったのに、贅沢してやまゆりポークの酒粕焼き、地場産の卵焼き、舞茸バター焼きと、たくさんいただいてしまいました。
短い沢でしたが、とても楽しい1日でした。
夏も終わりですね。
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