2017/05/06

2017.5.3-5 劔岳源次郎尾根の登攀(後発隊)

マンさん、ユキミさん、ナカの三名で剱岳源次郎尾根の登攀に行ってきました。
三日間とも天気に恵まれ、剱岳は微笑んでくれました。

<剣沢から見た本峰>


<剣沢から見た源次郎尾根の1峰と2峰>
上の写真の右下に下る雪の稜線の下部に位置します。


<3日> 室堂→雷鳥沢→剣沢

大混雑の室堂をスタートし、みくりが池温泉でマンさんと合流。
途中まで同行のユノさんと別れて、雷鳥沢に到着。
立山縦走チームのテントを見つけて、無線で交信。
立山縦走チームの方々には、翌日剣沢まで差し入れを届けて頂き感謝!

全装備での雷鳥坂の登りはきつい。

剣沢に到着しテント設営後、先発隊のイノッチさん、ユウちゃんパーティーのテントを探しましたが良く分からなかったため、夕食の準備をしていたところ、山頂付近に先発隊らしき姿を発見。頑張っている姿をずっと見ていました。この写真では前劔の大岩の上にそれらしき姿が見えます。

その後、夕方先発隊が無事剣沢に到着。
源次郎尾根の登攀の成功と、無事の御帰還おめでとうございました!
御両名とも充実した表情の笑顔でした。
ヤッタネ!
また、現地の情報も色々頂き有難うございました。

<4日>剣沢→源次郎尾根→劔岳本峰山頂→別山尾根→剣沢

朝4時半頃剣沢をスタートし、源次郎尾根の取り付きに向かう。

源次郎尾根末端からルンゼルートに入る。

ルンゼの上端から左上し、雪壁の鞍部に向かいました。

鞍部に出ると日が当たり、視界が開け大展望でした。

鞍部から見たこれから登る雪壁と岩稜帯。

岩稜帯を抜けた後、1峰のスカイラインに向けて、ひたすら雪壁を登る、登る。

左には剣沢方面の大展望。

右には八つ峰の大展望。
やっぱり劔は素晴らしい!

 やっと、1峰のピークに到着。
見よ、この大展望!

次に、1峰、2峰間のコルに向けて下降。
ここは、先発隊の情報から相当リスキーとのことで、ロープを出してマンさんにルート工作を兼ねてクライムダウンして頂き、鞍部でビレー。

次にユキミさんがクライムダウン。

最後はナカが冷や汗をかきながらクライムダウン。

次に2峰に向けてロープをつけたまま、1ピッチ登り立木でビレー。

最後にマンさんに登って頂き、このピッチは終了。

次に2峰のピークに向けて登る。

同。

2峰のピークから懸垂下降点に向かう約20m位が非常に厳しいナイフリッジが続きました。
下山途中にあった富山県警の救助隊の人によると、ここ数年で一番ナイフリッジが発達しているとのこと。中でもこの写真の部分(懸垂下降点の直前)の下降が一番厳しかった。
はるか下までの急斜面です。

さすがのユキミさんも、緊張のため顔が引きつっていました。
しかし、マンさんのアドバイスに従って慎重にスッテプを切ることで何とか無事通過し、懸垂下降のビレー点に到着。
冬のアイスの経験が生きている感じがしました。
とは言え、やっぱりここはロープを出すべきでした。
反省!

懸垂下降点から下を見る。

マンさんの下降。

同、ユキミさん。

気が付けば、快晴無風。
ここからは劔岳の表情が変わり、微笑らしきものが感じられました。
我々はそれに応えるために、山頂に向けて雪壁をひたすら登る。
雪は柔らかくなったけれど、快適そのもの。

やがて傾斜が緩くなり山頂に到着。

ヤッター!
剱岳は微笑んでくれました。
山頂には八つ峰を登ってきたパーティーと一緒になり、写真の撮り合いをしました。
有難うございました。
背景は八つ峰と後立山方面。

お社に皆で手を合わせてお礼しました。
前方には早月尾根、中山、早月川。

こちらは、北方稜線方面。
手前には、小窓尾根、その奥に赤谷尾根、その奥に毛勝三山と僧が岳。

さて、これから剣沢に向けて下降。
まだ危険地帯が続くので慎重に行きます。
下の写真はカニの横ばいを超えた先の下降。

下の写真は、平蔵の頭へのトレースと手前に雷鳥。

前劔の大岩の周辺を慎重にクライムダウン。

前日の先発隊の情報では、相当に状態が悪いとのことでしたが、本日はその後多くの登山者が通過したことも有り、スッテプが一杯あって、何とか無事通過。

下降してきた前劔の雪壁を見上げる。

剣沢到着時には大分暗くなってきましたが、ひとまずビールで乾杯し無事の登攀を祝いました。


<5日>剣沢→雷鳥沢→みくりが池温泉→室堂

本来ならば、立山三山縦走の予定でしたが、全員腹いっぱいですぐ帰ることに。
しかし、余りに天気が良いのでマッタリとシリセードの練習しながら雷鳥坂を下りました。
マンさんのシリセードは熟練の域。


室堂到着後は、今まで見たこともないくらいの大勢の外国観光客と一緒に扇沢に向けて移動。
その後、高速道路の大渋滞のなか、帰りました。
帰宅は午前2時。
ああ疲れた。
でも充実した山行でした。

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