「三つ峠に行ってみたい!」という新規入会のSさんの声から、三つ峠屏風岩でのマルチピッチルートクライミングを目指して、4月の月例山行でフリークライミングの練習、4月の教育山行でシングルピッチのリード&フォローの練習、5月に支点構築の実践を行ってきました。
そして6月はようやく最終課題のマルチピッチルート実践です。お天気はやや曇り、暑すぎずちょうどいい感じ。雨に降られることもなく、無事に開催することができました。
メンバーは大ベテランのNさん、Mさん、S代表、柴笛10年以上の大先輩方Mさん、Iさんと、Sさんの7人です。「余裕を持ってリードできる人」と「余裕をもって登れる人」でパーティを組み、ルートを決めて登攀開始です。
①若手SさんとベテランのMさん 中央カンテルート(Sさんオールリード)先発 → 亀ルート
②S代表と先輩Iさん、わたし(3人沢チーム) 中央カンテルート後発 → 亀ルート 2Pまで
③ベテランNさんと先輩Mさん 一般ルート → 中央カンテ
中央カンテはよく登られていることもあって、全ピッチ通して練習にとてもいいルートです。
先行中央カンテ2ピッチ目 先行Sさん&Mさん
私は中央カンテの4ピッチ目がルートファインディング核心と聞いていたので、このピッチを登ってみたいと思い登ってみました。だいぶ予習して行ったのに、お約束通り左側に回り込みすぎてしまい、ボルト皆無エリアに突入してしまいました。S代表からお借りしていたカムで一箇所支点をとって登れましたが、これとて2サイズしかなく、カムを入れ込みすぎてしまい…結果ここで中間支点をとらなければ後続の人たちは正規ルートを登れたので、判断が難しいなぁと思いました。
3ピッチ目、カムで支点をとりながら登るS代表。Sさんは買ったばかりの時計がクラックに挟まっていました…
核心の3ピッチ目はS代表がカムで支点を取るのを見ながら続きました。私は支点構築の教育山行で初めて自分で打ったハーケンで登ってみましたが、回収してもらった人から「バイルで2回叩いたら回収できた」と聞き、やはり非力な私はカムも持つことにしよう…と思いました。こういうことも全て、やってみないとわからないので、教育山行の機会に実践できてよかったです。
3ピッチ目終了点でのS代表の支点
核心3ピッチ目登るIさん
若手のSさんは全ピッチをリードして、後発の沢チームが最終ピッチを登り終える頃にはもう懸垂も終えていました。二人とも速い!
中央カンテ全容。最終ピッチ懸垂準備をするNさんとMさん
懸垂下降では、腰にロープを束ねて下降しましたが、腰のロープが自分のギアにひっかかってしまい、途中で降りられなくなりました。次の亀ルートの懸垂では反省を活かしたつもりでバックアップ付きで降りたのですが、今度はバックアップのフリクションが効きすぎて降りられなくなりました。テラスでフリクションヒッチを解除しようとして、ビレイデバイスも解除してしまい、ロープと自分が離れてしまうというミスをやらかしてしまいました。ロープのバックアップを取るか、またはフリクションヒッチだけを解除すればよかったです。後続で降りてきたIさんのおかげでロープが手元に戻ったものの、次の懸垂では木にロープがひっかかり、一度自分の足元にロープを引き上げてからまた降りることになり、結果時間がかかってしまいました。懸垂も教育山行の2回目で実践しましたが、状況に応じて選択すること、そして何かあった時に対応できる技術経験が大事なんだなあと思いました。やはりIさんはじめ先輩方は経験の豊富さと賢さから判断が適切です。
亀ルート3ピッチ目リードするSさん
2ルート目の亀ルートを先行で登っていたSさん&Mさんチームから「前評判とちが〜う」という奇声が聞こえてきて、登ってみると本当に恐ろしいルートでした。二度は行かない、じゃなくて二度といかなくていいルートだと思います。
今にもまるごと剥がれそうなフレークの2ピッチ目を登るS代表(なんだかんだお頼りしまくりです)
今回の教育山行では順を追って学ぶことができ、私にとってはとても良いシリーズでした。ここから夏山を楽しまれる方々にとっても、よいウォームアップになったのではないでしょうか。
大ベテランのお二人は、幾度となく通われたエリアなのだそうで、いろんな思い出話を伺うことができました。マルチピッチだと組み合わせは決まってしまうけれど、いろんな人が参加してくださり、有意義な一日になりました。
中央カンテから一般ルートを臨む
Nさんから軽井沢のお土産の本宿どうなつの差し入れをいただき、糖分を補給して三つ峠山荘を後にしました。
私は次に行きたいところはあるの?と聞かれて特にないので、やっぱりクライミングは苦手だし、そんなに好きじゃないんだなぁと思いました。これでマルチシリーズは終了です。
ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。ありがとうございました。
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