2025/12/31

20251230 阿弥陀岳北稜

  12月30日、会員2名で阿弥陀岳北稜に登りました。濃いガスと深い雪の中、アルパインの要素が濃縮した楽しい山行となりました。

濃いガスの中、第一岩稜にとりつく
 弱い前線が本州上を通過するとのことで八ヶ岳は朝から荒れる天気予報でしたが、30日昼以降は西高東低の気圧配置が強まり、麓付近は次第に天候回復見込みともされていたので、とりあえず行者小屋まで向かい、(前日から縦走してくる)パートナーと合流することにしました。
 12月30日当日早朝、美濃戸登山口は無風で星も見えていたため希望を持ちつつ、南沢を経由して行者小屋へ向かいました。行者小屋からは横岳~赤岳~阿弥陀岳の山頂はすべて見えず、風も若干ある状況。「どうしようか?」と二人で顔を見合わせてしまいましたが、幸い降雪は少なかったので風の状況を慎重に見ながら稜線上まで向かい、早めの撤退判断、ということで実行することにしました。
 文三郎道との分岐から中岳沢のトレースをたどり北稜とりつきを目指しますが、所々吹き溜まりが膝上程度までになっていました。斜度も増し歩きにくく、さらに視程もあまりよくないために北稜(ジャンクションピーク)へのとりつきがよく分からない。スマホを取り出し、地図を確認しながら沢筋をそれて途中の尾根筋を藪と雪をかき分けなが登り、ジャンクションピークの先に出ることができました。
中岳沢から尾根にとりつく
 
 急な雪壁をアイゼンとピッケルワークで慎重に登り、第一岩稜に順調に到達。先行パーティを待ちながらロープを出し、登攀準備を完了。つるべで3ピッチの登攀で無事に阿弥陀岳山頂にトップアウトし、記念撮影を手早く済ませて一般道経由で中岳沢を再び下降し、計画通り順調に下山しました。終始、風はなく一面白く静かな登攀でした。
1ピッチ目。ボルトは雪に埋もれている
山頂
 阿弥陀岳北稜は冬山アルパイン入門、とされています。行者小屋からのアプローチは短いものの、クライミングだけでなく冬山のルートファインディングとラッセル、雪山登攀技術などなど、アルパインの基本が凝縮された好ルートだと感じました。特に当日のように気象条件がベストとは言えないなかで状況を自分たちで判断しながら登る、というのは素晴らしい登山の体験でした。歳の最後に会員同士、今年の思い出に残る登山ができたと思います。(会員M)
最後のリッジ
最終ピッチのセカンドビレイ





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